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空想組曲vol.5「遠ざかるネバーランド」、無事全ステージ終了いたしました。
ほとんどの回が満員御礼で、ほとんどの人が面白いと言ってくださって、もうなんというか、幸せでした。

今回は自殺を止めるお話でした。
そして僕が演じた少年(川本すぐる)という役は、正にその自殺を止める役目を担っていました。いや正確には、自殺を止めたのは、自殺をしようとしていた上田いずみさん本人です。川本君は、話を聞いて、何かを言って、その手助けをしたまでです。
稽古中、いや本番あけてからも、「自ら命を絶つのははなぜいけないことなんだろう?」ということばっかり考えていました。そして考えれば考えるほど分からなくなりました。理由なんていろいろあって、そのどれもが正解であると思うのです。
でも結局、いつも最後には「なぜだか分からないけど生きていたい」という考えに行き着きました。そして死にたい死にたいと思っている人たちも、実は根底では生きたいと願っていると思うのです。「死にたい」と思っている時点で、その人は生きているのだと思うのです。
だから、話をよく聞いて、勝手でも何でもいいから何かを言う。会話をする。全部吐き出す。
「他人だから言えることがある」というフックの台詞がありました。僕の好きな台詞です。その通り。誰でもいい、誰かがそばにいて話を聞くだけで、そんなほんのちょっとのことで人生は変わると思うのです。

いろいろ話を聞いていると、今回のこの作品で、実際に誰かの命を助けたなんてことを耳にしました。
この作品が誰かに届いて、良い方向に転じるきっかけになったのであれば、これ以上嬉しいことはありません。

そして何より、僕自身が何か救われた心地でいます。
確かに川本すぐるを演じたのは僕だけど、彼は僕の人生にも、淡くてぼんやりしているけど強い希望を残してくれたと勝手に思っています。
ありがとう川本君。
僕は大丈夫です。めちゃめちゃしんどかったりきつかったりしても、きっと大丈夫。生きていきます。

川本君だけじゃありません。
作・演出のほさかさん、共演者のみなさん、スタッフのみなさん、そしてお客様、僕とはもともと何の関係もない他人のみなさん、こんな拙くて未熟で凡人な僕と少しでも関わってくださって、本当にありがとうございました。
この座組がバラけて、またいつもの日常が戻ってくることはとってもとっても悲しいことではございますが、それでも、死ぬほどのことじゃない。平気です。大丈夫です。



あーあー語り尽くせない!
だからもう何も言わない!
ただただありがとう。


添付は、川本君の制服。
胸にいるのはティンカーベル!
母は偉大なり。



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